人気ブログランキング | 話題のタグを見る

文学少女的な――

言葉足らずは誤解の元なので『文学少女』シリーズについて少し労力を割いて私見してみる試験。


再度結論から書くと、『文学少女見習いの~』は蛇足である、この一点に尽きます。

内容は決してつまらなくないというか、池田収集リストの中でも最上位に位置付けるくらい楽しんでいる本なので素直に
楽しいねわーきゃーで済ませておけばいいと思うんだけど、シリーズの人気が出た事による後付け企画である事が
透けて見えるのは仕方が無い所とはいえ、『見習~』が楽しければ楽しい程、蛇の足を高精度で描いていくかのような
徒労感というか虚しさが出て来るなーという単なる偏屈な1受け手としての感想。

何が問題かというと元々の物語が本編最終巻で『お別れ→アフターとして大人になって再会するよ』で綺麗に『閉じている』
作品なのに、そこの間にストーリーをねじ込もうとしているのが引っ掛かりポイントなんですなー。
旧主人公に一目惚れする新ヒロイン(♀)はその構造上、フラれるというか、エセ文学的に言うなら失恋を糧にして前に
進むという形でしか幕が引けない事が開始前から決まっている、つまり悲恋ものにしかなり得ないんですが、全く脈が
無ければ物語が盛り上がらず、新ヒロインに心情が寄りすぎると旧主人公が綺麗な恋愛完結おめでとー!から単なる
浮気者だけどバレてないから恥ずかしくないもん!になってしまって本編最終巻が台無しというか、そんな感じ。

となるとまあ、残された方向性としてはバランスを取りつつ二人の恋愛ものとしてではなく、群像劇的方向に持って行く
(サブキャラ間の恋愛だとか未練に決着を付けるとか琴吹ーッ!)しか無いと思うっていうか、まあそういう風に実際に
進んでるからこー書いてる訳ですが、それらにしても本質的には余談であって、不透明であるからこそ美しかった若者の
未来に無粋な仕分けを行う事になっちゃう危険もあるので、あまりグダグダ続いて欲しくないなあ、と思うのです。特に
劇場版だなんだとメディア展開されてる昨今、それが小説と並立して盛り上がってくれるなら言う事は無いんですが、
変にここからTVアニメだなんだと展開して、そうであるが故に本編(見習シリーズ)が大人の事情で引き伸ばされたり
したら台無しだなー、と。


といった感じで私見終了。
こっからは余談ですが、『フルメタルパニック』なんかは池田はメディア展開のせいで腐った作品だと思っています、
後『紅』もそうなのか作者がアレだったのかは知りませんが、アレはまさに醜悪祭でした。他はウィザーズブレインの
何巻だったか忘れたけど、後にいかにもやっつけで作った設定集が付いてたのは黒歴史と呼ぶにふさわしいと思います。
資本主義の世の中売ってナンボなのもメディアミックスが大切なのもわかるにはわかるつもりですが、どうせ売るなら
良い物を売って――いやいやいや、せめてゴミは売らないで欲しいなーと思います、ホント。がーでんがーでん。
by mavchizawa | 2010-01-13 18:46 | 活字


<< 活字雑感 ヒマッハ! >>